
世界最大の医療市場・北米をターゲットに、歯科用CT「Green X 21」を発表
AIによる自動病変検出サービスなど、AI機能を強化し北米市場に本格対応
グローバルな歯科用診断機器のリーディングカンパニーであるバテック(VATECH)は、歯科用CT「Green X 21」を新たに発表し、北米市場への本格的な進出を加速すると24日に明らかにした。また、歯科向けAI企業であるPearl社との協業を通じて、AIサービスのさらなる強化も併せて発表した。
バテックは、3月25日から29日までドイツ・ケルンで開催される世界最大規模の歯科展示会「IDS」にて「Green X 21」を初公開する。この製品は、0.05mmの超高解像度(ボクセルサイズ)での撮影が可能で、歯の内部構造(神経や根管)まで詳細に確認できる専用撮影モード(Endo Mode)を搭載している。特に、顎下から額までを一度で撮影できる範囲(FOV 21×19)を実現している点が大きな特徴である。これは、口腔外科手術、矯正治療、顎矯正治療など、広範囲の解剖学的構造を把握する必要がある診療に最適だ。また、顔面の3Dスキャン機能(Face Scan)も搭載しており、矯正前後の比較や患者説明時に活用できる。
バテックはこの「Green X 21」を世界に先駆けて米国市場に公開する。2月に米国FDA認証を取得し、IDSでの発表後、4月から米国での販売を開始する予定だ。北米市場は、矯正やラミネート治療などの需要が高く、大型FOV CTへの関心も非常に高いと見込んでいる。
また、バテックは北米市場に向けたAIサービス強化戦略も併せて発表した。歯科用画像AI技術の先進企業であるPearl社との提携により、バテックの歯科用画像ソフトウェアとPearlのAI診断ソリューションを連携させ、自動で病変を検出する機能を北米地域の歯科医院に提供する。さらに、オーストラリアのAI企業Eyes of AI社とも連携し、高度な3Dセグメンテーション(3D Segmentation)機能も提供する。
バテックは独自開発のAI技術によって、画像ノイズ除去や解像度向上など、AIソリューションの強化を継続的に進めていく予定だ。
同社は、独自の中核技術で開発した幅広い製品ラインナップを基に、世界各国の市場特性に合わせた製品展開を進めている。現在、歯科用CT分野でグローバルリーダーの地位を確立しており、北米市場では大手医療機器ディストリビューターHenry Schein(ヘンリー・シャイン)とのパートナーシップを通じて販売シェア1位を維持している。
2024年のバテックの売上高は3,851億ウォンで、輸出比率は90.9%、そのうち北米市場の売上比率は31.2%に達している。「Green X 21」を米国市場に最初に投入する背景には、“No.1ブランド”としての地位をより強固にする戦略的な意図がある。
今回の「Green X 21」投入により、バテックは低線量プレミアムCT「Greenシリーズ」のフルラインアップを完成させ、今後は各国の需要に応じて段階的に展開していく予定だ。急成長するイメージング市場では、すでに口腔内センサーやエントリーモデルのCTで先行しているが、2025年は高度な製品力、感動的なカスタマーサービス、そして差別化されたソフトウェアソリューションとAI技術力をもって、各国市場での存在感をさらに強化していく予定だ。