OUR PHILOSOPHY | vatech japan

私たちの人本主義の旅

バテックは、世界をより良い場所に作るために努力を続けています。



 1. 人本主義：使命

中国の哲学者である孔子は、「仁」と「孝」を人間の最も大きな徳目であると考えました。「仁」は他者を愛し、道徳的な責任を果たすこと、「孝」は家庭と社会の基盤となる精神として、親を敬い、共同体の連帯を重んじる倫理的な概念です。このような孔子の哲学は、バテックの最高経営責任者（CEO）であるノ・チャンジュン（以下、ノで表記）が会社を設立し、経営していく過程で深く共鳴するものとなりました。

ノの経営哲学は、「人がすべての根幹である」という意味を持つ孔子の名言「以人為本」によって表されます。2000年代、韓国にはデジタルX線装置がなく、歯科医師たちは不便で非効率的な方法に頼らざるを得ませんでした。東洋史学科を卒業したノは、人類の健康に貢献したいという使命感を抱き、バテックを設立しました。そして、IMF危機で多くの家庭が崩壊する姿を見て、「人を優先する会社、社員が幸福な会社を作る」と決意しました。

孔子の精神のように、人への深い関心と愛情がバテックの礎となりました。

創業初期、バテックが直面した現実は非常に厳しいものでした。資金難の中でも、ノは社員の生活を守るために、自分のすべてを担保に提供し、運営資金を確保しました。これはまさに、孔子の教えである「仁者はまず他者を思いやる（仁者は難きを先にして獲ることを後にす）」を実践する行為でした。技術開発の過程も決して容易なものではありませんでした。

不足する研究インフラと外部からの懐疑的に見られるの中で、彼は直接海外から部品を輸入し、組み立てながら技術を習得しました。また、フィンランドの技術パートナーが突然倒産した際には研究員を直接説得し、韓国に招いて開発を継続できるよう尽力しました。

孔子が強調した「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや」の精神のとおり、絶え間のない学びと実践こそが、危機を乗り越える力となったのです。

2. 人本主義：逆境

ジャン－ポール・サルトルは「存在は本質に先行する」と言いました。サルトルの人本主義に基づく実存主義は、バテックが危機や試練を克服し続けることで成長する過程と深く結びついています。

ノは、バテックの「存在」とは持続可能な経営であると考えました。事業の永続性が保証された会社でなければ、構成員に安定した雇用を提供できないと考えたからです。

ノは、バテックの存在で構成員に精神的、物質的な幸福を提供したいと願っていました。問題は、どのような本質が存在に繋がるかでした。ノの答えは「技術革新を通じて世界一になること」でした。そのため、ノにとって「世界一」とは単なる数字や成果以上の意味を持っていました。バテックの「存在」、すなわち「構成員の幸福」を達成するために成し遂げなければならない課題であり、プロセスでもありました。

バテックは絶え間ない選択と実践を通じて自らを定義してきました。世界一のデンタルイメージング会社になるという彼の選択には、折りたたみ式ベッドを会社に持ち込み、開発期間中ずっと社員と共に生活する努力が伴いました。リーダーの率先垂範は全社員の熱意の原動力となり、韓国初のデジタルパノラマPaX-300の開発に成功しました。

しかし、喜びも束の間、初めて参加したIDSでは、バテックは知名度の高い競合他社に押され、惨めに無視されました。しかし、ノは現実を嘆かず、世界一になるという目標をさらに強固にしました。そして2005年をDental CTの始まりとし、技術革新に挑戦しました。社員たちが朝食に食べた豚の骨を集めて実験に使用するほど、彼の人類の健康に貢献したいという熱意は熱いものでした。このような挑戦は、世界初の3-in-1（Pano, CT, Ceph）装置であるImplagraphyを生み出し、再び挑戦したIDS2007では喝采を浴びました。彼の足跡は「人間は、自らの選択を通して、自らの本質を創造していく存在」というサルトルの命題と一致しています。

自分自身の道を選び歩む過程で多くの困難や苦痛を経験しながらも、ノはグローバル1位の企業となり、人類の健康に貢献するという目標に向かって進んでいきました。

3. 人本主義：革新

ノが技術革新をリードしてきた過程は、エーリッヒ・フロムの「愛」の概念と類似しています。エーリッヒ・フロムは、人間の本質は生産的な愛と創造的な活動を通じて完成されると考えました。人類に対する愛情と愛。これがまさにバテックの技術革新の理由であり原動力です。

エーリッヒ・フロムは、愛を単純な感情ではなく、「他人の成長を助ける能動的な実践」と定義しました。バテックが低線量パラダイムを主導したのは、単なる技術の進歩ではなく、患者の健康を最優先に考えた「人を中心にした革新」でした。

ノの「愛」は当然、バテックの社員にも受け継がれました。フロムは現代社会における非人間的な組織文化が人を疎外する問題を指摘しました。ノは、組織文化の改革と協働の活性化のために、直接業務の協働ツールについて学びました。

そして2012年にOASISというシステムを業務に導入しました。このシステムは協働を活性化し、業務の透明性を高めることで、組織全体の創造性を最大化する結果を生み出し、創造的革新の好循環を確立しました。

バテックの危機は、コロナの時期に再び訪れました。飛沫によって広がる感染症であるため、世界中の歯科産業は成長を止め、従事者たちは直ぐに生計を脅かされました。

しかし、困難な状況の中で、ノはむしろ営業サービスの人員を拡充し、顧客との関係を強化しました。顧客との1対1の相談を通じて教育や不便の改善に努め、ウェビナーを開催して歯科医師たちの教育を支援し、飛躍の足がかりを築きました。また、分割払い制度も導入し、顧客と苦痛を分け合おうとしました。

このようにバテックは顧客との接点を増やし、厳しい時期に顧客に慰めを届けました。そしてその努力は、コロナ後に62％の売上成長（2020年対2022年の売上実績）を達成し、真摯さが認められました。

他者の苦痛を共に分かち合う彼の経営哲学は、「連帯的人本主義（Humanistic Solidarity）」の実現でした。

4. 人本主義：成長

ノはバテックの持続可能性を考えながら、実存的な不安を探求しました。私たちは一般的に、現在の成果が完全に自分の力から来ていると信じがちですが、これは独立した自己という幻想から生じており、最終的には実存的な不安を引き起こします。

しかし逆説的に、多くの人々は実存的な不安を解消するために結ぶ他者との関係の中で、自分を見失ってしまうことがあります。そこでノは、他者と健康的な関係を築きながらも独立性を保つ方法を考えました。The Ascent段階は、この二つの方向に進んでいます。

<健康な人間関係を築くための道>

マルティン・ブーバーは「私は他者を通じて存在する」と言いました。人間の実存は他者との関係の中で定義され、変化します。ノはこの関係哲学に基づき、社員間、さらには社会共同体の中で共通の経験と連帯を通じて互いを「あなた」と認識する文化を形成しようとしました。

ブーバーは関係をIch-Es「私-それ」とIch-Du「私-あなた」に分けました。前者は道具的な関係であり、後者は深い共感に基づいた出会いです。バテックは真の「私-あなた」の関係を築くためにCompraxisの概念を導入しました。

これは、ボランティア活動を一回限りの経験ではなく、数年にわたって続く連帯のプロセスへと変える試みでした。単なる親切ではなく、ともに歩む「道」を作るプロセスでした。

<独立性を見つける道>

１．四国のお遍路

私たちは親、子供、社員、友人として生きる中で、関係の中で自分を見失うことがあります。そこでノは「四国お遍路」プログラムを企画し、「私」の存在と独立性を回復する旅を提案しました。道を歩くことで、私たちは家庭や会社での「私」から離れて、真の「自分」と向き合うことになります。

道を歩くことは単なる移動ではありません。手放し、内省するプロセスであり、自分の存在と向き合う旅でもあります。ノはこのような経験を通じて、社員たちが関係の中でも独立性を維持できるよう支援したいと考えていました。

２．「道」書館

さまざまな人間関係の中での独立性は、自分探求のプロセス、深い思索、学習を通じてより強固になります。ノは、知識と自我省察が人間を成長させる最も強力な道具であると信じていました。この信念のもと、彼はエジプトの「アレクサンドリア図書館」からインスピレーションを得て、社内図書館である「道」書館を設立しました。アレクサンドリア図書館は単なる書庫ではなく、人生の道を探し求める空間でした。

バテックの図書館もこの価値を受け継ぎ、構成員が自己を内省し、思索や探求を行う哲学的な空間としての役割を果たしています。ここでバテックの社員たちは自分の考えを整理し、より深い質問を投げかけます。

四国お遍路とともに、バテックの図書館は人間の存在意義という哲学的な問いに答えを見つけるためにノが示した道です。